2012年 04月 08日
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2012年 04月 08日
2012年 02月 27日
![]() 今こそ暖かいほどの気温になったが、2月前半のフランスは寒波だった。ロシアからの寒風が吹き込んでくるという感じで、観察や写生に出かける際は上にフリースとダウン上着、下は股引とウールズボンという有様。思いはフランス人も同じなようで、帽子やらフード、襟巻き、ブーツなどで防寒に努めていた。 ![]() こんな時には鍋物が一番。うちでは卓上ガス台を出動させて、鶏系の水炊きや質素なタラ鍋をやった。 一回、外で食べる機会があり、入り口近くにフォンデュー鍋を置いてあった店に入ってしまった。キノコを少々入れて、白ワインで味付けした平凡なチーズフォンデューで美味かった。 普通のブラスリーだったのでお値段も手ごろだったが、動物性脂肪のかたまりであるチーズを食べながら、和食は何とヘルシーだろうと思ったのであった。 # by t-kuwabara | 2012-02-27 04:43
2012年 02月 04日
![]() それが、やっと今週から気温が下がってきた。そして一気にマイナス温度へ。 極端な話だが、みんな急に冬支度になり、大雪になるかも知れないとの事で歩道・車道に塩が撒かれていた。
2012年 02月 02日
![]() 10日ほど前になるが、スケッチクロールに参加してきた。これは日付を決めて、その日に世界各国でスケッチし、結果をオンラインで見せ合うというイベントだ。それがパリでも開催されると、フェイスブックで数週間前に告知されていた。プロ・アマチュア、年齢などは問わずに誰でも参加できる。面白そうなので行ってみることにした。 パリの集合場は北東部にある「サン・キャトル(104)」という芸術センター。アトリエ、展示場、劇場、ショップなどがある。時間になったら、それらしき人々が集まっていたので、話を聞きに行った。なにしろ集合場所・時間の他には何も知らされてないのだ。リーダー格のキムという女性が教えてくれたが、 「ここで好き勝手に写生して、夕方の6時にあそこのカフェで皆で集まりましょう」 という、いたって簡素なプログラムだった。 「サン・キャトル」が出来た頃(2,3年前だったか)に来たときは、まだ展示などもなくて閉鎖的な印象だった。人も少なく、でかい建物だけが印象に残っていた。だから何を描くのか、少々腑に落ちなかったのだが、今回は全然違っていて納得したのだった。 まずは気功らしき体操のトレーニングに何十人も集まってきている。近所の人たちの通路でもあるらしく、買い物袋をもった人々が行く。大声が聞こえてきたから、何かと覗けば廊下の隅で演劇のリハーサル。そのうちヒップホップを踊る若者も集まってきた。 これだけいろんな連中がいればモチーフには事欠かない。屋内なので寒さや雨もしのげる為、夕方までみっちりと描いた。特に気功体操とヒップホップが面白く、これらを中心にスケッチした。 ![]() 6時、もう暗くなる時間だ。言われたカフェに入ると既に皆が飲み物をすすりながら、絵を見て雑談中だった。そこでキムの一声、大きなテーブルにスケッチブックを置いて絵を見せるようにとの事。数十冊の写生帳が並んだ。人物、インテリア、建築などモチーフも様々なら、エンピツやペン画、透明水彩と画材やスタイルも多様である。 楽しいひと時を過ごさせてもらったあと、オンラインのサイトに絵を載せておくように言われる。 このイベントの特徴はネットで作品を観ること。だから自宅でスケッチクロールのフォーラムに登録し、初めての参加なのに厚かましくも投稿した (ここの登録には苦労した。アナログな僕には複雑で、幸いにも伊藤マーティさんが丁寧に説明されてるページがあって助かった。英語の説明では達成不可であっただろう)。 世界各国で同じ日にいろんな奴らが絵を描いている、想像するだけでも面白い。 元はアメリカ人のエンリコ・カーサロッサ氏が提案し、今や数千人の参加者があるという。現場主義の僕としては喜ばしい限りのイベントであった。
2012年 01月 27日
![]() 2011年を振り返って、簡単にパリ市での観察をまとめてみようかと思う。 まずは4年前から観察しているセグロカモメの営巣。12区(パリ市内西部)の屋根の上に巣を作ってヒナを育てている。一昨年は三羽が巣立ったが、去年は一羽だけだった。頻繁にハシボソガラスや他のカモメが近くを飛んではヒナを狙っているので、親鳥は警戒を怠らない。 ![]() ここ数年、セーヌ川の水質改善が指摘されている。確かに水草が圧倒的に増加して、魚や水鳥も増えている。前はなかなか見なかった水生昆虫類も然りである。これはイトトンボの仲間が交尾し、産卵しているシーン。17区、シィーニュ島。 ![]() うちの近所に小さな空地がある。小鳥やら昆虫が結構いるので、いつも前を通る際には気をつけている。去年の秋は雑草の落穂を狙ったハツカネズミがちょろちょろしていた。まだ若い個体らしく、頭でっかちで警戒心も薄かったので、ゆっくり写生させてもらった。14区、ポルト・ド・ヴァンヴ。 ![]() 凱旋門では毎年チョウゲンボウの番が繁殖している。去年も無事に四羽が巣立った。これは春に陣取った縄張りで交尾しているところ。雄は雌にイエスズメのプレゼントを持ってくる。 ![]() チョウゲンボウの兄貴分に当たるのがハヤブサであるが、彼らが去年に於けるパリ市観察のビッグニュースであろう。フランス国内の他都市では繁殖しており、パリ近郊のイヴリー市では一昨年に初の営巣が観察されていた。それがやっとパリ市内にも訪れたのである。 ![]() 見つけたのは去年の8月1日。場所は15区のビル街にある煙突だ。高い煙突、周りに公園、建物、セーヌ川。ドバト、モリバト、ホシムクドリが沢山いる。イヴリー市によく似た状況である。 初めに観察したのはがっしりした雌、二日後にやや小型の雄を確認した。 今でも彼らは居ついたままなので、春に繁殖するだろうと僕も他のパリジャン・ウォチャーも期待している。 # by t-kuwabara | 2012-01-27 07:08
2012年 01月 11日
![]() 元日にはヨメさんがおせちを作ってくれる。素材にも限りがあるので、少々変則的なおせちかも知れないが、ちゃんとしたお酒も買って日本気分だ。下のキャビア・パスタは明らかに西洋風、数年前からうちでは定番になっている。ただし仏産の安価なキャビアがあれば、の話である。 ![]() 先々週はウニを買ってみたら、結構美味かった。こちらのは大体、身(正確には卵巣)が痩せているのが多く、買い求める際はギャンブル気分である。 先週は僕のリクエストで、アヒルのオレンジ煮込み。煮込みと言っても、実際はアヒルをレア気味に焼いて、オレンジ風味のカラメルソースをかける料理だ。スペイン産の赤ワインとピッタリだった。 ![]() 先日ご報告した短編映画上映会、始まるのが夜の9時過ぎだったので、その前にレ・アールの「パ・サージュ」へ。簡単なおつまみをパリ産ビールで気軽にやれるお店だ。サラミ、生ハム、チーズ類を楽しんだ。
2012年 01月 08日
去年の暮れ、近所の映画館「アントルポ」で短編映画を特集していた。冬至だったので、最短の日に短編を観ようという粋な企画であった。あまり期待してなかったのだが、傑作揃いで内容には大満足、スタッフの人と駄弁ったりして楽しい夕べであった。
企画したのはフォルマ・クールという連中で、若い映画好きが集まって頑張っているようだった。で新年早々、また上映会のお誘いが来た。 今回はベルヴィル方面(若い人にはバスチーユ方面なのかも)にあるカフェ・ド・パリで開かれた。カフェで上映とは狭苦しそうと思っていたら、ちゃんと奥に100人以上は収容できる部屋があった。 アントルポで観たのはここ数十年撮られた各国の作品だったけれど、今回は志向が違って(そもそも主催者がコレクティフ・プロッドというところ)、短編を撮っている人々が作品を上映し話し合う場、だから作品もフランスで最近作られたもの。雰囲気としては「業界人の集まり」、彼らの批評会、交流の場だったのだ。 でも最近は自らも周りもジジババ化しつつあるので、若い連中が頑張ってるのを見るのは刺激になった。 監督の一人がステージで 「タランティーノの『パルプ・フィクション』を観て作品を作ろうと思い立った」 と述べているのを聞き、しみじみと時代を感じた夕べであった。 ![]()
2012年 01月 04日
![]() 遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。 旧年中は拙い絵日記をご覧になっていただき有難うございました。 本年も企画が一杯です。お楽しみに。
2011年 12月 25日
出来事とはちょっと大げさだけど、12月半ばの備忘録として。。
![]() 17日 パトリックS宅に呼ばれて夕食。典型的な仏料理のコック・オ・ヴァンを頂く。彼らの娘も社会人、随分とオトナになった。遅くまで話し込んでしまった。 18日 狩猟博物館にて、ハンティング関係の芸術展。以前は興味なかったが、最近は何でも観てやろうという気なので出かけてみた。やはり、展示者もお客も上流階級の方々が多く、ナチュラリスト系とは雰囲気が違った。何名か素晴らしい作風の人がいて名刺交換してきた。 19日 何年か振りに裸婦スケッチを。友人の画家がアトリエでスケッチセッションをやっているのだ。懐かしい顔とも再会し雰囲気は良かったが、僕の絵は散々だった。また通って修行しなければ。。 ![]() 22日 ドゥニCとテレーズ宅で夕食会。彼らの他に日本大好きという夫婦が来ており、これまた遅くまでいろんな話題で盛り上がった。 23日 暖房なしのアトリエで作業。ちょっと風邪気味だったが、やはり夜になって熱が出た。翌日には回復。
2011年 12月 15日
![]() 12月の最初の週末は自宅で個展、次の週末はCFO鳥類学会のグループ展に出品した。 世界恐慌再来かと思われるほど経済が不安定な中、個展の結果がどうなるか疑問だったが、結構な売れ行きだった。お客さんだけでなく、友人・知人も沢山来てくれて有り難いことであった。 予想はしていたが、想いがこもった新作は人気があった。自分で「まぁイイ出来」と思えたものはインパクトがあるし、必ず売れる。 CFOとは正確には「仏語圏鳥類学会」である。毎年パリ市で開催され、フランスやベルギー、スイスの研究者が発表する場だ。それと共に保全団体や業者、芸術家がブースを設けていて、休憩時間などに皆が見て歩くのである。 ここで展示始めたのが1983年頃だから、もう30年近いことになる。最近知ったが、パリで主催されるのは今年が最後。来年からは西フランスで、もっと大規模なイベントに組み込まれる形式になるそうだ。 思い出せば、フランスの主な自然関係アーチストはここに集結していた。Jシュヴァリエ、Dクラヴルール、Fデボルド、Aラルース、Sニコル、Dシャヴィニー、Sロンバール、Pスイロー、オランダからはRダルシー=シルコックなどなど、豪華なメンバーだった。 一時、CFO学会の運営がきびしくなり、数年間休止していたこともあって集客は減った。他にナチュラリスト系のイベントも増えて、CFOへ遠方から来る価値がなくなったのか、展示する芸術家も減少していった。僕はパリ在住だからいいが、地方や外国から来る者には諸々の出費がかさむのである。 今年でパリ開催が最後なのに、参加した芸術家はジャン・シュヴァリエ、オリビエ・ロワール、僕という寂しい状況であった。一つの時代が終った、大げさに言えばそんな気がした。
2011年 11月 24日
![]() ピエンツァで二日過ごしたあとフィレンツェに戻り、その翌日はフランス行きの飛行機に乗った。二週間も北部・中部イタリアの主要都市を周り、何とも豊かで刺激が多い旅であった。 上のスケッチは飛行機から見えた夕方のアペニン山脈。ヒグマやオオカミが生息している山岳だ。 ![]() イタリアでは美味い料理、多様な文化財産、芸術作品を堪能したが、街行く女性も美しかった。若い人は当然だが、中年や初老の女がエレガントに決めていた。カメラを向けてもニッコリ微笑み返したり、実に魅力的である。 もっとも、ヨメさんが言うには男も青年から老人まで格好良いそうだ。爺さんになってもダンディだと感心していた。 上は街角や空港で写生したイタリア女。 ![]() 美しいモザイクのラベンナ、街そのものが美術館のようなフィレンツェ、オルチャ渓谷を望むピエンツァ、、、どこも素晴らしいところだったが、ベストワンはやはりベネチアであろうか。海に浮かぶ魔法の古都、ターナーなどの画家たちを虜にしたのも納得できる空間だった。 来年か再来年、また訪れたい国である。 ヨメさんも写真入りで紀行文を綴っているので、興味がある方は是非どうぞ。
2011年 11月 22日
![]() 小道をゆっくり歩いていたら、林の方からガサガサと音がする。村に近いから野良猫かと思ったが、草むらから出した顔をライトで照らせば、白黒のはっきりしたヨーロッパアナグマだった。僕をしっかり認識したようで、警戒しながら小道を急いで横切りオリーブ畑へと消えていった。 明るくなってきたら、今度は鳥たちが活動始める。カケス、シラコバト、ムシクイ類やカラ類が飛んだり、枝で採食したりしていた。 今日も快晴、しばらくしたら暖かくなって蝶やら蜂、ハナアブが花に訪れ始めた。それらをスケッチしながら僕は石壁や大きな木の根などを注意深く見ていた。目当ての小動物がいたのだ。 昔にローマへ行った際に、公園や遺跡できれいなトカゲが沢山いた。薄茶や鮮緑色、褐色が混じるシクラカベカナヘビである。アドリア海中心に分布し、フランスではコルシカ島南部にしかいない。イタリアでは普通種、でも今回は都市ばかり回る文化的な旅だからお目にかかる機会がなかった。 しばらく歩いていると壁を走るやつが見えた。よく見ればタダのカベカナヘビだった。でも背が緑色がかっており、フランスのとは少し違った感じだ。 オルチャ渓谷を望む小道で、今度はしっかりと見つけた。緑や茶のストライプが美しいが、喉が白いのも良い配色である。 停止して、まるで渓谷を眺めているような姿勢を見せたかと思いや、垂直の壁をスルスルと素早く降りていった。何かと覗いてみれば、小さなバッタを追っていたのだった。 ![]()
2011年 11月 20日
今回の旅はヨメさん主催だったから、僕が得意の自然観察にはなかなか時間が割けなかった。野原や山林を朝早くから黙々と歩くなんて、重症の生物好き病者でなければ無理だ。おまけに街を巡っての移動だから、出かけても精々公園やら近郊程度。
しかし転んでもタダでは起きない性のナチュラリストである。ベネチアではキアシセグロカモメ、ラベンナ近郊でミドリヒキガエルやハリネズミ、フィレンツェではカワセミやアオサギを観察・写生していた。みな普通種だけど、異国での観察は面白い。 今回の日程で自然度が高そうな場所が一つだけあった。ヨメさんがどうしても見たいというオルチャ渓谷だ。トスカーナ特有の光景、こげ茶色の丘が続いていて、糸杉が数本立っている、というアレである。 その地域にあるピエンツァという村が良いらしい。何しろ村の中心地、および周辺が世界遺産に指定されているというお墨付きなのだ。 フィレンツェからバスで二時間強、南下して村に着いた。 ピエンツァはルネッサンスの頃の法王が理想の町を造ろうとしたという。そういう難しい話はよく判らないが、何か落ち着く空間である。また、丘の上に位置しているので例のオルチャ渓谷が良く見渡せる。 観光客は少なくないけれど、便が良くないせいか、ここまで来たくて来たという感じの人が多かった。 ![]() ピエンツァに着いたのは午後。荷を置いた民宿の女将さんに、村からちょっと離れたところに教会がある、観てみて下さいと勧められた。 その古い教会はロマネスク様式の小さい建物であった。周りはオリーブ畑、少し傾き始めた陽に照らされてイイ雰囲気。内にあったキリストの十字架像なんて素晴らしい出来だった。 名所のモニュメントもいいが、こういう地味な場にも味がある。 村に戻るのに眺めが良い道を歩きながら、野原や林がどこにあるか、アクセスする小道などチェックしておく。翌朝の観察に行くためだ。 小道の石垣ではジャノメチョウの仲間が日光浴をしていた。
2011年 11月 17日
フィレンツェを訪れたのは美術大学に入る寸前だったから、もう三十年前以上の話だ。
ルネッサンスの巨匠が残した作品が満載のウフィツィ美術館が目当てだったのだが、ダヴィンチが殆ど見られなかった。改装だか貸し出しだか忘れてしまったが、ともかく落胆したのは覚えている。 また当時は、マリノ・マリーニの存在さえ知らなかったので、彼の美術館も当然見逃していた。 今回は五日間の滞在で、主なモニュメントはもちろん、ウフィツィ美術館もゆっくりと観た。ダヴィンチ、マルティニ、ボティチェリ、ティチアーノなどの傑作を鑑賞していくと、ルーブルなんかより面白く思えてしまう。 撮影禁止なので小型スケッチブックで写生してきた。こういうとき、こちらの監視員は寛大である。日本だったらすぐに文句を言われるだろう。 写生するとよく判るのだが、ダヴィンチなどの絵には一寸の隙もない。特に人物のしぐさ、表情、衣服など、完璧である。自分がどんなにいい加減か、比較にさえならないことを痛感する。 ![]() この街でも食事は総菜屋で何回も済ませた。スーパーの惣菜はあまり良くなかったが、テイクアウト専門だったらとても美味しい店が何軒もあった。 ピザ屋もまずいところに(一軒だけだが)出会ってしまった。やはり大きな町で観光客が多いと、質が低下するのであろう。 最後の晩はまたまた、トラットリアである。観光客は多いが現地人も来るお店で、二名では予約は受け付けないという。19時過ぎと早めに行ってみたら正解であった。30分もしたら満席になってしまったのだ。 前菜はスケッチにあるパスタ類。メインはヨメさんがほほ肉煮込み、僕が牛タン。味付けはさっぱり、バジリコが効いたソースを付けていただいた。ワインは軽い赤で、料理に丁度よく合った。
2011年 11月 16日
![]() 魔法の古都ベネチアを堪能したあとは列車でラベンナへ向かった。 ここもアドリア海に面している。正確には沿岸まで10キロあるのだが、埋め立てられたのである。名残りとして、ちょっと郊外に出れば湿地帯や川、運河があちこちにある。 美術史を学んだ人ならラベンナの名を知っているだろう。 東ローマ帝国の首都だったこともあり、内装にモザイクを使った教会や遺跡が集中している。サン・ヴィターレ教会など有名どころは幾つもあるが、近郊に位置するサンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂は傑作中の傑作。大きなドーム天井に、華やかなのに落ち着いた色調のモザイク画が見る者の心に語りかけてくる。 派手な動きや奇をてらった狙いは皆無。仏さんの悟りみたいな世界観である。 翌日は港へバスで行ってみた。 中世前の昔、ラベンナはアドリア海の主要港だったと聞く。今でもその歴史を受け継いでいるのだろうか、港湾の設備は立派なもので、埠頭が延々と伸びている。そこを歩けば、見学に来た小学生たち、釣り糸を垂れているオヤジ、抱き合っているカップルなどとすれ違うのであった。 ![]() ラベンナでは三日間ゆっくり見回ったが、食事はスーパーの惣菜を買って公園などで食べていた。ラタトゥイユ風の野菜類、ハムやサラミ、揚げ物などおつまみ的な料理を楽しんだ(フランスのケータリングは当たり外れがあるが、イタリアでは水準が高い)。 また、駅からのメインストリートにある「ピアディーナ屋」にもお世話になった。ピアディーナとはピザとパニーニの合いの子みたいなもの。注文を受けたおばさんは生地を練って焼き、中身(豚の蒸し焼き、ハム類、生野菜、ゆで野菜など)を入れてくれる。これが又、美味いのだ。 最後の晩は例によって、トラットリアへ。前菜には、懲りずにトマトソースのスパゲッティ。これは外れることがないし、シンプルなので飽きが来ない。 メインはよく判らないまま、豚のあばら焼き肉を頼んでしまった。元気なウエートレスにどんな料理か聞いたのだが、僕が勝手に誤解していたのだ。出てきたのは、サイズは大きいが一見普通の豚肉だ。ところが口に入れてビックリした。豚の旨みに加えて、不思議な美味しさが広がるのである。 何かにマリネしてあったのか。豚もこの地方の品種なのか・・と自問する。生のローズマリーが添えてあり、これが僅かな苦味があって良く合う。 ワインはラベンナのロマーニャ地方で生産された赤ワイン。南欧特有のどっしりした、しかし繊細なワインだった。 デザートはサクランボ入りのプリンにしてみた。甘さは控えめ、サッパリしてるのに口に残る余韻。 もう、ノックアウト状態であった。
2011年 11月 15日
![]() 旅行で自炊できれば経済的だが、都市を巡回していく今回の旅ではなかなか難しい。連日レストランに行く余裕はないのでケータリングなどのお世話になる。 イタリアの軽食と言えばピザ。昔行った経験から、観光客向けの店は避けて、現地人のお客が来るところを探してみた。 僕らのホテルはサンタ・マルゲリータ広場の方面にあって、その周辺でイタリア語が飛び交っているピザ屋を探し当てた。生地が薄く、トマトソースはしっかりした味、値段も妥当であった。ピザの他にくるくると巻いたラップもあり、野菜たっぷりで美味しい(ピザも元々は巻いて食べていたと聞くが・・)。 そこからちょっと行けば、さばけた感じのカフェがあった。毎日ピザでは飽きるので、そこで簡単な夕食を頼んでみた。 海老入りスパゲッティ、貝のリゾット、ミックスサラダ。どれもうまかったが、特にスパゲッティはさすが本場ものである。味は例によってトマト風味、オリーブ油が効かせてあるのが良かった。当然だが麺は程よくアルデンテ。 ベネチア最後の晩はトラットリアへ。フランスで云うビストロという感じのレストランだ。そこで頼んだイカ墨スパゲッティは今でも忘れられない味。飲んだ辛口白ワインもクッキリしており、僅かな甘さが料理と合っていた。 ![]() 最後の日の午後、ヨメさんがガラス工芸を又見たいと言う。僕は飽和状態だったので別行動に。 画材屋をひやかしたり、水路で船を仕舞うところを見たり、ただブラブラしていても面白い。 ホテルに戻るのにサンタ・マルゲリータ広場を通った。ここには夫婦や老人、学生がいた。孫を学校に迎えに来たお爺ちゃん、犬を連れたシニョーラ、駄弁っている高校生たち。 小学生の女の子たちがチョークで地面の大きな石畳に絵を描いていた。親は止めるどころか、一緒になって楽しんでいる。 おばあちゃんやおばさんは赤味がかったベンチでアイスクリームを舐めながら喋っていた。 名所もいいが、こういう風に人々の生活を垣間見れるのは旅の醍醐味だと思う。
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