2012年 02月 02日
スケッチクロール |
10日ほど前になるが、スケッチクロールに参加してきた。これは日付を決めて、その日に世界各国でスケッチし、結果をオンラインで見せ合うというイベントだ。それがパリでも開催されると、フェイスブックで数週間前に告知されていた。プロ・アマチュア、年齢などは問わずに誰でも参加できる。面白そうなので行ってみることにした。
パリの集合場は北東部にある「サン・キャトル(104)」という芸術センター。アトリエ、展示場、劇場、ショップなどがある。時間になったら、それらしき人々が集まっていたので、話を聞きに行った。なにしろ集合場所・時間の他には何も知らされてないのだ。リーダー格のキムという女性が教えてくれたが、
「ここで好き勝手に写生して、夕方の6時にあそこのカフェで皆で集まりましょう」
という、いたって簡素なプログラムだった。
「サン・キャトル」が出来た頃(2,3年前だったか)に来たときは、まだ展示などもなくて閉鎖的な印象だった。人も少なく、でかい建物だけが印象に残っていた。だから何を描くのか、少々腑に落ちなかったのだが、今回は全然違っていて納得したのだった。
まずは気功らしき体操のトレーニングに何十人も集まってきている。近所の人たちの通路でもあるらしく、買い物袋をもった人々が行く。大声が聞こえてきたから、何かと覗けば廊下の隅で演劇のリハーサル。そのうちヒップホップを踊る若者も集まってきた。
これだけいろんな連中がいればモチーフには事欠かない。屋内なので寒さや雨もしのげる為、夕方までみっちりと描いた。特に気功体操とヒップホップが面白く、これらを中心にスケッチした。
6時、もう暗くなる時間だ。言われたカフェに入ると既に皆が飲み物をすすりながら、絵を見て雑談中だった。そこでキムの一声、大きなテーブルにスケッチブックを置いて絵を見せるようにとの事。数十冊の写生帳が並んだ。人物、インテリア、建築などモチーフも様々なら、エンピツやペン画、透明水彩と画材やスタイルも多様である。
楽しいひと時を過ごさせてもらったあと、オンラインのサイトに絵を載せておくように言われる。
このイベントの特徴はネットで作品を観ること。だから自宅でスケッチクロールのフォーラムに登録し、初めての参加なのに厚かましくも投稿した (ここの登録には苦労した。アナログな僕には複雑で、幸いにも伊藤マーティさんが丁寧に説明されてるページがあって助かった。英語の説明では達成不可であっただろう)。
世界各国で同じ日にいろんな奴らが絵を描いている、想像するだけでも面白い。
元はアメリカ人のエンリコ・カーサロッサ氏が提案し、今や数千人の参加者があるという。現場主義の僕としては喜ばしい限りのイベントであった。
by t-kuwabara
| 2012-02-02 14:49
| イベント、出来事