2010年 03月 26日
『カラスのお宅拝見!』 |
人と歩いていて、僕が
「あそこにカラスが巣を作ってるね」
と示すと、大抵は驚かれる。ほんの少し気をつければ良いのだが、それをしてないだけだ。
もっとも、僕だって偉そうに書いてるけれど、カラスのプライベートは詳しく知らない。
そこに迫るのには宮崎学氏ぐらいの気迫と技術が必要である。
氏の近著『カラスのお宅拝見!』は日本列島のカラスの巣を写真と文で紹介した本だ。北海道から沖縄まで、様々な状況で撮られたカラスのお宅。そこから見えるのは、彼らの生活史だけではなく、われわれニンゲンの生活史でもある。
農村や漁村ではそこで使われているネットや縄が巣材に使われ、都市部だったらハンガーやビニール紐が増える。馬が飼われている牧場、釣人が多い湖畔、その周辺でカラスはどうしているのか。。。
知られざる身近な鳥を通して、現代日本が浮び上がってくるという本である。
『カラスのお宅拝見!』
宮崎学 著
新樹社 出版
(挿絵は一昨年の春に描いたスケッチ。葉が出始めていたが、カラスの巣は未だ見えていた。これが数週間後には見事に隠れてしまうのだった)
by t-kuwabara
| 2010-03-26 16:49
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