2013年 09月 18日
クロゾン半島 |
ブルターニュの先端にクロゾンという小さな半島がある。自然公園に指定されていてカワウソなどが生息しているらしい。8月にその方面に行く用事があったので、三日ほど滞在してみた。
ブレスト市から船で30分ほど、ル・フレットという小さな港に着く。ハイキング・トレイルであるGR36を歩いて、ディナン岬を目指した。途中に大きな池があるから、カワウソの痕跡を探そうと思っていたが、葦が生い茂って岸には接近できない。二時間ほどウロウロしていたが、諦めてトレイルを進んだ。
ディナンでは岬の手前に良い浜があったので、砂丘で夕食を摂る。ブレストの魚屋でアカザエビと白ワインを買ってきたのだ。沈み行く陽を眺めながら甘いエビを頂いた。
翌日は岬周辺を歩いた。セグロカモメが飛び交うなか、褐色の小さな猛禽が直線に飛んでいった。チョウゲンボウである。崖が多いので、ここら辺で営巣したのかもしれない。
ヒースが咲き乱れ紫色に染まるディナン岬を後にし、内陸側の林道を歩いていると遥か前方に赤茶のけものが見えた。キツネだ。道の縁に寄ってしゃがんで観察していたら、気が付かずに進んでくる。マーキングしたり、餌を探していた。落ちていたモグラを咥えては捨てる。そして、やっと僕に気が付いた。驚いて凍結し、下がって林に隠れた。それでも僕が動かないでいると、林の藪から接近して何物か確認しに来る。若いキツネだから好奇心が強いのだろう。僕が振り返ったら、反応してサッと逃げていった。
その後も半島の風景や動植物を堪能したあと、ル・フレットへゆっくりと戻る。港の古い町並みを楽しんでいたら、小さな塔に羊歯が生えていた。その光景を描き終えた頃、帰りの船が入港してきたのだった。
by t-kuwabara
| 2013-09-18 18:43
| 旅行