桑原実彦 絵日記 BLOG ILLUSTRE - フランスで人物や自然（野生動物など）のスケッチ・風景画

ダンス

クレテイユの池で数多い水鳥はホシハジロ、オオバン、ユリカモメなどだが、カンムリカイツブリもよく見られる。日本では主に冬鳥として知られ、こちらではパリ近郊でも繁殖している普通種だ。

２月にもなれば、白と褐色・赤茶のコントラストが美しい夏羽に変わりはじめる。その名のごとく冠や頬の羽が発達した姿は綺麗であるが、オマケにとても面白い行動が観察できる。求愛ダンスである。
先ずは雄雌の二羽が接近して正面向かい合う。首を伸ばし、左右に振ってから相手の顔を覗き込むように近づいて、顔の羽を膨らませる。

今のところはこの程度だが、本格的に春になれば、正面向いたままで水面から立ちあがったり、水草のプレゼントをしたりと、かなり複雑で儀式的な行動になる。

その後も水面に浮いた巣で営巣したり、孵ったヒナを背に乗せたりと、絵になる姿を見せてくれる鳥だ。

瘤

今年の冬、欧州は何回となく寒波に見舞われた。さすがに鳥たちは予知してようで、所謂「珍種」が南下してきている。例えば、カベバシリやオオケワタガモ、ミコアイサなどがパリ地方でも観察されている。

パリの南にある郊外都市、クレテイユには大きな池があって多くの水鳥が越冬している。バーダーの知人が言うにはアカエリカイツブリやメジロガモが今年は来ているらしい。メジロガモは未見の種なので、快晴だった先日に出かけてみた。

ここの池は湖と呼ばれるほど広大でアシ原が残る良好な環境だが、周りは団地、モール、官庁などに囲まれている。
奥のアシ原にカモの群がいた。殆どがホシハジロ、そこに少しマガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモが混じっている。しばらくスコープを覗いていたら、赤茶で下尾筒が純白、三白眼のやつが見えた。メジロガモの雄である。
この種は昔、フランス国内では珍しかった。最近は数少ないがあちこちで見られているようである。この日も探鳥していたのは僕だけだった。

帰り道、コブハクチョウが人から投げられたパンを突付いていた。おこぼれを与ろうとドバトが飛んできていて、そこにドブネズミが素早く動いていた。大きな塊をくわえては、茂みに消える。

コブハクチョウ、ドバト、ドブネズミ。どれもヒトがここまで連れて来た種だ。
珍しいカモを探すのも結構だが、こんなシーンを描いている方が僕には面白いのだった。

新ブログ、誕生

前からお世話になっているneuyaiさんが新しくブログを始められた。
京都から、音楽家であり自然愛好家の彼女からどんな記事が発信されるのか、多いに楽しみである。
早速、比叡山を後景にした写真を拝見出来るので、興味がある方は是非ご覧になって下さい。

「日々 ～京都にて～ 」
http://umesuisen.exblog.jp/

旦那さんの「芦生原生林の博物誌」、

そしてお二人のサイト「畑仕事の楽しみ」もよろしくお願いします。

オフ会

数年前に「オフ会」という言葉を知ったが、今回の里帰りで体験することになった。

当初は友人たちと会って夕食という予定だったが、幹事役のK氏が「森のコミュニティ」のメンバーを呼んでいただいたのである。
「森のコミュニティ」は写真家の宮崎学氏が主催している。僕もそこでお世話になっていて、集った方々には初対面という感じではなく、いろいろと面白いお話を聞かせていただいた。
来ていただけたのは（アルファベット順）
Amitakeさん
寒立馬さん
KSさん
Stmaさん
TAGAさん

また、僕の友人たちも負けずに「濃い」人たち。
栄養士でナチュラリストのＳGさん
画家の小林さん

これだけ集ったので、いろんな話題で盛りあがったのは言うまでもない。


押絵は、オフ会があった東京大丸の「つる家」でいただいた焼き魚（アマダイ）。

マロ

日暮里界隈を歩いていていたら、丁度昼めしの時間。洋食、という看板が見えたので近寄ってみたら、ちょっと古い感じのお店だ。トンカツなど、お馴染みの料理がメニューにあるので入った。
白髪の職人風おやじさんが黙々と調理し、おかみさんがサービス係、カウンターには馴染みのお客さんという、パターンにはまり過ぎた食堂である。

ヨメさんがコロッケ、僕は牡蠣フライを注文した。それほど待たずに料理は運ばれてきた。アツアツのを食べたいが、ちょっと我慢してスケッチしてからいただく。かりっとして美味い。
早い・美味い・安い、これまた食堂の基準をしっかりと満たしたお店であった。

「キッチン マロ」
東京都 文京区 千駄木３−４１−１２

大型コンサート

１２月末、千葉県の幕張ではカウントダウン・ジャパンというコンサートが開催される。数日間に渡って何十人ものアーティストが参加する大型イベント、僕にはあまり馴染みがない場なのだが、ヨメさんがパフュームというユニットを観たいとの事。当然、お付き合いした。

幕張には２０年前ぐらい何回か来た事がある。ビルなどが建ち始めた頃だから、野原が広がっていて、夕方になると何匹もアブラコウモリが舞っていた。

コウモリは今でもいるとは思うが、景色は一変していた。コンサート会場のメッセ辺りなんて東京の一画みたいだ。
肝心のコンサートは言うと、音楽はよくわからなかった（エレクトロ系はみな同じに聞こえてしまう）のだが、照明には圧倒された。まるで光の彫刻である。
それに加えて、観客のエネルギーが熱い。二十歳前後の若者が音楽や歌声にあわせて楽しんでいるのは良かった。
親戚のＡ君が言うように、これが現代のお祭りなのである。
タオルを首に巻いてる人が多かったが、踊ったり跳ねたりするので汗を拭く為だった。